「愛」 -レンタル彼氏-【完結】
「………はあ。
何となく似てんなって思ったのは間違いじゃなかったな」
「え?」
「くるみにどことなく、愛海は似てた。
でもな、愛って…何?
わかんねえんだよ、俺は。
くるみと出会わなければ、俺はこんな人生送ってなかったかもしれないんだ。
信じ切ってたからな、俺はくるみの事」
そう。
あの時の俺はくるみが全てだった。
くるみが裏切るわけないって思ってた。
……くるみだけは裏切らないって思ってたんだ。
「他の女と違うって思えたんだよ。
でもな、他の女と同じだった、くるみは」
「………」
「帰ってくれ」
「………」
「帰れよ!!!」
「!!!」
愛海は顔を覆いながらすぐに部屋から出て行った。
テーブルの上にある一枚の写真。
くるみと愛海。
二人とも綺麗な笑顔を見せている。