「愛」 -レンタル彼氏-【完結】
“そんなわけない!お姉ちゃんは本当に千里が大好きだった!”
口では…いくらだって言えるんだよ。
俺はくるみの為なら命だって投げ出してもよかった。
もしも、俺かくるみどっちかしか生き残れないのなら。
俺は喜んで自分の命を差しだした。
そんな俺が重すぎたのかもしれないな。
ダメだな、どこまでも考えてしまう。
思考を停止する為に、俺は睡眠薬を飲んでからベッドに横になると無理矢理目を閉じた。
目を覚ました時、既に外は暗くなっていた。
結構、眠っていたらしい。
まだ薬が残っているのか、頭がガンガンする。
あまり睡眠薬は飲まない。
飲んだ後のこの症状が嫌いだからだ。
ゆっくりと、体を起こした俺は何気なしに携帯を見る。
それを見て、目を見開いた。
愛海からの着信が二件。
…懲りねえ。
くるみもくるみだったから、愛海もなのか?
何であれだけ言われて、電話をかけられるのだろうか。
俺には理解出来ない。
そう、思ってたらまた愛海から着信が来る。
溜め息を一度つくと、俺は電話に出た。