「愛」 -レンタル彼氏-【完結】
「ちょっと待ってくれよ、割りのいいバイトがあるからっておっさんに聞いて来たけど、いきなり住めだの、レンタル彼氏だの、意味わからねえんだけど」

「そもそもレンタル彼氏って何?」


吏紀に賛同するように、聖も呟く。


そんな不穏な空気を蹴散らすように、西園寺は急に笑い出した。
それを皆は唖然として見つめる。


「吏紀、族をやって何度もパクられるのを繰り返して世間はどうだ?
お前が働ける環境はあったか?」

「…………」

「誠、エリートで進んで来て入った場所はどうだった?
なにもかもがバカらしくなかったのか?」

「……………」


二人は西園寺にそう言われると、バツが悪そうに俯いた。
誠の隣にいた俺に西園寺が目を向けると、

「千里、世間の女がお前にしたことはなんだった?
それによって受けた傷はどうしたんだ」

そう言った。
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