「愛」 -レンタル彼氏-【完結】
愛海とくるみは腹違いの姉妹。
腕を組んでいた男は、くるみの父親。

くるみは俺を…愛してた。

愛海も俺を好きになっていた。


だけど、俺は愛海とは付き合えない。

どうして?


どうしてだろう。

別に、くるみが俺を好きだったと分かった今も…。
くるみを愛しているとは思わない。
…思えない。


だからと言って、愛海が好きだとも一切思えない。
くるみとか関係なしに。


「…自分がわかんね」


俺は一言、そう呟くと一気に体を持ち上げて、立ちあがった。
それから上着を脱ぐと、お風呂へと向かう。

どこかに行くつもりなんてないけど、昨日入らないまま寝てしまったから入ってこよう。


シャワーを浴びて、出た後も髪を乾かしてベッドに寝転ぶ。
そんな日々を暫く俺は送っていた。


部屋から出るのは食事をとりたい時だけ。
コンビニに行く為に外に出る。
それだけ。


そんなだらけきった生活をしてたある日だった。
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