「愛」 -レンタル彼氏-【完結】
「………」
「じゃっじゃーーーん」
愛は待ってましたと言わんばかりに、自分の携帯を取り出すとそれを見せる。
俺へのお土産は、華奢なビーズのついた携帯のストラップ。
それも、愛とお揃いみたいだ。
「俺、ストラップはつけない」
「えええええええええ」
「邪魔じゃん」
「…………」
愛は唖然としている。
それに、このストラップ…。
ビーズって。
完璧女趣味だろ。
「まさか、拒否られると思ってなくて…想定外」
「……」
逆にどうして、喜ぶと思ったんだ。
ショックを受けてる愛を見て、はあっと溜め息をつくと頭を掴んで俺の胸元へと抱き寄せた。
愛はわけがわからないのか、無言で俺を見上げる。
「……ありがとな」
それに愛はキョトンとした顔を見せた。
俺は口角を上げると、髪の毛を上からゆっくりと梳く。