「愛」 -レンタル彼氏-【完結】
目の前で白井さんが床に倒れている。
俺はすぐさま駆け寄り、「白井さん!」と声をかけるが白井さんは真っ青な顔をして無反応だった。
デニムのポケットから携帯を取り出すと、119をコールして状況と場所を伝える。
その間も白井さんは気を失ったまま。
動揺はしていたが、冷静ではあった。
一度、経験しているから。
“お、おふくろ!?”
その時の出来事が、走馬灯の様に浮かぶ。
白井さんをおふくろに重ねてるだなんて、俺もどうかしてるな。
そんな自分に嘲笑した。
程なくして救急車が到着し、担架で白井さんが車内に運ばれていく。
一応俺も同乗した。
身内でも何でもないけど、白井さんの安否が気になる。
処置室で診てもらってから、すぐに俺は呼ばれた。
医師は俺の顔を見ると、デスクへとまた視線を戻す。
「えー、白井さんのご家族の方ですか?」
「いえ、白井さんのマンションに住んでる住人です」
「はあ、そうですか。
では、ご家族の方は…」
「旦那さんはもう、他界してます」
「わかりました、白井さんは一過性脳虚血発作と思われますが、検査の為このまま入院してもらいます」
「にゅ、ういん?」
俺が途切れ途切れに言うと、医師は相変わらず淡々と話す。
俺はすぐさま駆け寄り、「白井さん!」と声をかけるが白井さんは真っ青な顔をして無反応だった。
デニムのポケットから携帯を取り出すと、119をコールして状況と場所を伝える。
その間も白井さんは気を失ったまま。
動揺はしていたが、冷静ではあった。
一度、経験しているから。
“お、おふくろ!?”
その時の出来事が、走馬灯の様に浮かぶ。
白井さんをおふくろに重ねてるだなんて、俺もどうかしてるな。
そんな自分に嘲笑した。
程なくして救急車が到着し、担架で白井さんが車内に運ばれていく。
一応俺も同乗した。
身内でも何でもないけど、白井さんの安否が気になる。
処置室で診てもらってから、すぐに俺は呼ばれた。
医師は俺の顔を見ると、デスクへとまた視線を戻す。
「えー、白井さんのご家族の方ですか?」
「いえ、白井さんのマンションに住んでる住人です」
「はあ、そうですか。
では、ご家族の方は…」
「旦那さんはもう、他界してます」
「わかりました、白井さんは一過性脳虚血発作と思われますが、検査の為このまま入院してもらいます」
「にゅ、ういん?」
俺が途切れ途切れに言うと、医師は相変わらず淡々と話す。