「愛」 -レンタル彼氏-【完結】
「あははは」
「わ、何、急に」
びくっとしながら、更に俺を凝視する愛。
この現状を理解出来てないみたい。
「話す。ちゃんと全部話すから、今日は寝よう?
愛も疲れてるだろ?」
「…うん」
「愛、おいで」
「………」
きょとんとした顔を見せてから、愛は俺の腕の中にすっぽりと収まった。
「…千里」
「ん?」
「私、千里好きかも」
「何それ」
「ううん、きっと好きだわ、これ」
「……」
今度は俺が目を真ん丸にする番。
そんな俺に気付いていない愛は
「千里、私今、すごーーーく幸せ。
いい夢見れそう、おやすみなさい」
なんて言いながら目を閉じていた。
すぐに聞こえる寝息。