「愛」 -レンタル彼氏-【完結】
だって、その仕事は月2000万だったから。

俺の仕事は「レンタル彼氏」だった。


何、それって感じ?
まあ、俺にも何?って聞かれたらうまく答える事が出来ないけど。


都合良く来て、都合良く話して、都合良く愛の言葉を交わす。
彼女の心の隙間を埋めるだけの、存在。

俺たちは月2000万だったから、借りるのは当然、金持ち。
だから、今の月30万なんて安くてしょうがないんだろう。


それで俺を独占できるなら。
そう思ってる。

浅はかだな。

俺は誰にも独占されない。


俺は「愛」と言うものがわからない。


いつからわからなくなったのかは不明だ。
だけど、もう物心ついた時にはそれがなんなのか、誰かに問わなければわからなくなっていた。


ベッドに腰かけると、俺は枕元に落ちているピアスに気付く。
綺麗な淡い色のブルーの石がついたピアス。
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