「愛」 -レンタル彼氏-【完結】
「……は、はは」


渇いた笑いを零す。


これも、きっと。
全て西園寺が仕組んだのかもしれない。

放心している俺の耳に届く音。
ドンドンと、階段を上がるいくつもの足音。

その音が二階に到達した時、

「いたぞ!」

そう声がして見覚えのある男達が俺に向かって走ってきた。


こいつらは、昨日俺達を羽交い絞めにしていた奴らだ。
俺を探してたのか?

抵抗する力なんて、俺に残ってなくて。
されるがまま、男達に連れて行かれる。


連れてかれたのは、寮。あのマンション。


さっきまでいたこの部屋に戻ってきた俺は。


ソファに力なく、倒れ込んだ。


どうやら。
もう、レンタル彼氏で働かなくてはならないらしい。
拒否権など、最初からなかった。


“お前達に拒否権はない。”


西園寺の言葉通り。
全て最初から計画通りだったんだ。
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