「愛」 -レンタル彼氏-【完結】
だけども、西園寺は再度はっきりと

「1000万、目の前出したら喜んでお前を私達に差し出したんだ」

そう言った。


「………う、そだろ?」

「本当だ」

「……………」


手が震える。
頭の中が真っ白だ。


「働きに期待しているぞ、千里」

「………………」


パサっと西園寺が机の上に落とした紙。
それは俺とお金を引き換えに、俺と今後一切連絡を取らないという誓約書。

サインの名前はおふくろ。
…見慣れたおふくろの字。



俺は実の母に売られたんだ。



それが、俺の過去。
世界には絶望しかないんだと、その時悟った。

そして、お金で何もかもを買えてしまうんだと。


だから、お金よりも大切なものがあるだなんて思わない。
この世で何もかもを支配しているのがお金なのだから。
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