「愛」 -レンタル彼氏-【完結】
「…さっきの女のか」


ぽつりと呟く。
昨日、ベッドを共にしたのは先ほどこの部屋を出た女だけだ。

そのピアスをなくさないように、俺は自分のアクセサリーを入れてる箱の中に入れた。


今日、なんかあったっけ。
そう思うけど、何もなかったような気もする。


こう、暇だと。
色々な事を考えすぎてしまう。


俺がレンタル彼氏をしたきっかけや、…あの女の事とか。


もう、既に全て終わったことで。
これから未来どう頑張っても、何も変わらないのに。


暇だし…出かけるか。

出かける準備を簡単に済ませると、俺は部屋の扉を開けた。
いつも通りの、シャツに細身のジーンズ。
これは昔から変わらない。



好きな色も昔から黒。
何にも染まらない黒が、俺は昔から好きだ。
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