「愛」 -レンタル彼氏-【完結】
メイクを落としたみたいだ。さっぱりしている。
つか、男の部屋なのに化粧落としとか完備されているのがおかしいよな。

全て俺の家に来る女が置いていったものだけど。


「なあ」

「え?」

「俺、コンビニ行くけど何かいる?」


そう言うと、途端に愛海の目がキラキラしだす。
…俺、別におかしな事言ってねえんだけど。


「行く!行く行きたいっ!」

「…わかったから、落ち着け」

「うんっ、待って、眉毛だけ書かせて!」

「ああ」


歩いて五分とかだし、必要ねえと思うんだけど。
でも、女ってのは色々大変らしいから口は出さず放っておく。
何か言ってうるさく返される方が面倒だ。


「はい、出来た!行こう!」


財布だけ持つと、俺と愛海は家を出た。
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