囚われの蝶 【密フェチ】
なぜそんなものを思い出すのか考えるより先に、脳が理性を捨てた。
倒錯の世界へと、あたしは一気に押し流される。
唇を離し、支配者の瞳で見下ろす彼。
その絶対的な存在に、浅ましく愛を乞うあたし。
「……もっと」
もっと、してください。
縛って。閉じこめて。理不尽にあたしを所有して。
あなたが描く出口のない檻
それは、セックスより淫らで甘美。
「逃がさないで、ずっと」
――永遠に自由を奪われた蝶の、不幸をうらやむ私は異常でしょうか。
-END-