棘姫

「わかった、今から行くわ。
店の名前教えて。でも、店に入るのは嫌よ。あんたのツレしつこいんだから」


店の名前を聞くと、すぐに電話を切った。



時間はまだ8時。

李羽と遊ぶ時はいつも、有り得ない程早い時間に家へ帰ってくる。


さっき上がってきたばかりの階段を下りていく。

本当は李羽と会った直後は夜の街へ行くのは…ちょっと気が退けるんだけど。



< 120 / 134 >

この作品をシェア

pagetop