棘姫
変わり始めた日々
いつもと何も変わらない、一人ぼっちの昼休み。
その再会は訪れた。
『…リ、リウ…ちゃん?』
戸惑いを含んだ声に名前を呼ばれた。
どこかで聞いたことがある。
廊下へ目をやると、
ある女の子と目があった。
それはあの河原で会った女の子。
どこかで見たことあると思ってたけど、一緒の学校だったんだ。
同時に名前も思い出した。
確か1組の…
「由愛ちゃん…だよね」
近付いて、初めて名前を口にする。
由愛ちゃんは驚いたような表情。
『知ってたんだ…名前。
あ、急にごめんね?
ちょっと今時間いいかな?』
初めて会った時とは別人のような口調。
自分を作ってるの?
「うん。
全然いいよ」
『本当?
じゃあ…どっかで話そうよ』
由愛ちゃんの提案で私達は学食へ向かうことにした。