棘姫
*Rose 2
背負うモノ
胡散臭いネオン。
客を呼び込むホストやキャバ嬢。
もうすっかり見慣れてしまった景色を、あたしは一人見つめていた。
李羽と駅で別れた後、あたしは久しぶりにこの通りに立った。
前はほぼ毎晩来ていたけど、最近は頻度が変わりつつある。
来る回数が減ってきているのだ。
李羽と会った、
あの日から。
時々考えてしまう。
あたしはどうしてここに立っているの?
いつになれば脱け出せる?
必死で自分に問掛けているんだ。
鞄のポケットへ目をやる。
蒼から渡された紙が、あのままの状態で入れられていた。
未だに目を通してない。
でも捨てられないんだ。
『一人で抱えきれなくなったら電話して』
…本当に?
蒼はあたしを助けてくれるの?
あたしがずっと求め続けているモノを…
あなたは与えてくれますか?