棘姫
『コレ、あたしのバイト代なの。少ないけど取っといてよ』
こう偽っては、毎月ちぃちゃんにお金を渡していた。
いざ、という時が来ても大丈夫なように、やっぱり相当な金額が必要になってしまうんだよ。
だったら、ちぃちゃんの代わりに誰がそれを稼ぐの?
この質問の先に辿り着く答えは…あたしだけ。
まだダメだ。
今止めたりは出来ない…。
悪循環は続いてゆくのよ。
出口の見えない無限ループ。
様々なものを失いながらも、また同じ過ちを繰り返してしまうあたし。
いつまで続くの?
次は何を失うの?
このままだと…いずれ、自分自身も失ってしまう気がする。
いつになれば…
あたしが脱け出せる日は来るのだろう。