棘姫

曇る心


ますます風が冷たさを増した12月。

由愛と出会ってから、2ヶ月が経っていた。



私の学校は大体、冬休み2週間前から午前授業になる。

それは、午前授業が始まった日だった。




『今日の仕事は空になっている石鹸の補充ね』

輪の中心で、保健の先生がみんなを見回した。


他の生徒は笑顔で帰っていく中、私は保健委員会で招集がかかり、保健室に集まっていた。




『じゃ、今からアルボース渡すから。ちゃんとやれば早く終わるでねー』

一人一人に先生がアルボースという緑色の石鹸液が入った容器を手渡していく。



『はい。
李羽ちゃんは北校舎の一階の補充をお願いね』

「わかりました」


私も容器を受取り、指示された場所へと向かった。


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