幼なじみ恋愛
「泣くなよ・・・」


「なっ・・・
泣いてないってば!」


「俺がいつから香奈のこと
見てたと思ってんの?」


「小さい頃から
ずっと一緒に居るんだし。
だから俺に香奈の嘘は
通用しないんだよ?」


そんな優しいこと
言わないでよ・・・

期待しちゃうじゃん・・・

そう思うと
余計に涙が溢れた。


「っ…好きな人…いるんならっ…
…ヒック…そんな優しいこと…
言わないでよ…!!グス…」


やっとの思いでそう言うと
俊の抱きしめる強さが
さっきよりも強くなった。


「香奈のこと
ほっとけるわけないじゃん!」


少し強めの口調に
驚きながらも
俊から離れようとした。


「もし…抱きしめてるの…グス…
なんか見られたら…
好きな人に…誤解されちゃうよっ?」


「さっきから
俺の好きな人のことばかり…
大丈夫だから!」


でもそれで誤解されたり
したら俊に悪いし・・・


抱きしめられてるのが
正直辛い。


でも俊はそんな私の気持ちに
気づくはずもなく
言葉を続けた。


「今は香奈の方が大事っ!
…なんで泣いてんの?」


< 31 / 82 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop