幼なじみ恋愛
「・・・なんで?
ほっ…ほらっ!
今、授業中だよっ?」


泣いてたのが
バレないように
出来るだけ
明るく言った。


「だって香奈が
どこにもいないから・・・」


「私は大丈夫だからっ。
授業戻って!」


また布団を被って
俊に背を向けた。


今・・・
俊の顔を見たら
きっと気持ちが
溢れちゃうと思うから。


「香奈?
なんでそっち向くの?」


「はっ早く
授業戻りなってば!」


俊の質問なんかお構いなしに
布団をギュッと握った。


「こっち向いてよ。」


「ヤダ・・・」


グイッ


「キャッ」


無理やり引っ張られて
俊の方を向かされた。


「・・・早く授業
戻ってってば・・・」


俊が私の目元に触れた。


「・・・泣いた?」


「なっ・・・
泣いてないよっ!」


「だから俺に
香奈の嘘は
通用しないって。」


そう言って俊は
保健室の冷蔵庫から
保冷剤を持ってきて
私に渡した。


「はいっ!
目ちょっと腫れてるから
冷やしときな?」


だから
優しくしないでよ。


気持ちが
抑えられなく
なっちゃうってば・・・。


泣きたくもないのに
また涙が溢れた。


「ちょっ!えっ!?
なんで泣いてんの! ?
どっか痛いとこでもあるの??」


「どこも…
グスッ…痛くない…」


私のことを
心配してくれる
俊がすごく好き。


慌ててる俊が
すごく愛しい。


気持ちを伝えるのに
遅い早いは必要?


『好き』って気持ちに
順番なんて
関係ないよね・・・?


相手に恋人がいるから
諦めるなんて・・・
馬鹿みたいじゃない?


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