こちらミクモ探偵事務所5
「時間は大体こんな感じだと思う」
紘哉の言葉に、恵一が頷く。
羽兎は頬に手を当て、小さく眉を寄せた。
「でもさ、本当の事件が起きたのって、11時05分なんだよね?」
「そうだな。それは中村さんの時計が示してる」
「じゃあ、私たちが聞いた11時40分の銃声って何だったんだろうね?」
「確かに……拳銃は一発しか発砲されてないしな」
離れから聞こえてきた音は、紘哉達の耳にハッキリと聞こえてきた。
そんな破裂音のような大きな音を出せる道具など、銃の他にあるだろうか。
「あ!もしかして、風船使ったんじゃない?」
羽兎が何かを閃いたように、嬉しそうに頷く。
紘哉は首を振った。
「締め切りの部屋で風船を使ったところで、あんな大きな破裂音はしないだろ」