こちらミクモ探偵事務所5
第一章 見えない容疑
新井さん家
あの会話から約30分後。
後ろには山。
自然に囲まれたところに新井家はあった。
豪邸ではないが、そこそこ大きさを誇る家。
車から降りた紘哉は目を細め、家を見上げながら呟く。
「……日本って、潜入捜査とか囮捜査って禁止だよな?」
「まあまあ。それがちょっとワケありでね」
恵一がトランクから荷物を下ろし、返事をする。
羽兎も車から降り、紘哉の隣に立った。
「何かね、ここに住む新井さん家の娘さんと花形さんが、どうやら幼なじみらしいよ」
「……」