こちらミクモ探偵事務所5

一刀両断。
グサリと言う効果音が、羽兎から聞こえてくる。

言葉のナイフに刺された羽兎は、躍起になりながらもがく。
紘哉は彼女の攻撃を受け止めながら目を逸らし、恵一の方へ顔を向けた。

「何か進展あったか?」

「いや、相変わらず無音状態。あとちょっとで終わるぜ!」

「そうか……何だったんだろうな」

「さぁ?」

恵一が口を尖らせたその時。

パァン!!

「な、何!?」

三人の動きが止まる。
それと同時に、MDプレイヤーも止まった。

「……」

部屋の中がやけに静かに感じる。
三人は顔を見合わせた。

「花形さん、もっかい巻き戻してみましょう!!」

「は、はい!!」

恵一の手が若干震えている。
彼はMDプレイヤーをいじり、銃声がした辺りに合わせる。

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