こちらミクモ探偵事務所5

そして、もう一度再生ボタンを押した。

10秒程経った後、鋭い破裂音が聞こえてきた。

「……」

黙り込む三人。
何も言えないのが現状だ。

「聞き間違いじゃなかったんだな……」

「そうみたいだな」

「でもさ、何でこんなものがコンポに入ってたんだろう?」

羽兎が腕を組み、目を閉じる。
頭を振ったりするものの、何も分からない。

「コンポに銃声、か……」

紘哉がボソリと呟く。
途端に恵一が顔を輝かせた。

「お、その顔は全てを理解した感じだな!」

「いや、違う」

即座に否定する。
恵一の眉が下がった。

「トリックは大体分かった気がするが……犯人がまだ分からない。それに動機も知らん」

「あぁ……なるほど」

ここからは紘哉が苦手とする心理の問題だ。
彼は行動状況の紙を折りたたみ、小さく息を吐いた。

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