こちらミクモ探偵事務所5
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何事も無く、時だけが過ぎた。
今は夜。
結局、今日はほとんど羽兎と話をしていない。
イチゴのセールスマンに言われ、紘子は家の物置を探してみた。
陳列された段ボールの底の方に、ひっそりと茶色い紙袋が潜んでいた。
誰もいないことを確認し、紙袋をくすねる。
そして、急いで家を飛び出した。
時刻は午後11時ぴったり。
裏山の入り口に着き、辺りを見回すも、それらしき影は見えない。
「あれー、いないなぁ……」
小さな紙袋を抱え、呆然と立つ紘子。
ふと、手元の紙袋に目が行った。
そういえば、何が入っているんだろうか?
もう一度辺りを確認し、紘子は紙袋をそっと開いた。