こちらミクモ探偵事務所5
初耳だ。
紘哉は眉を寄せた。
「……何でワトコは知ってるんだよ?」
「紘哉さんがチョコ探してる間に、花形さんから聞いた」
「なるほど」
それならば納得がいく。
小さく頷く紘哉を、羽兎は不思議そうに眺めた。
「と言うか、紘哉さんは花形さんに何て言われたの?」
「何てって何がだ?」
羽兎は後ろの荷物に目をやった。
ボストンバックが三つ並んでいる。
その中には、二泊分のお泊まりセット。
「『取り敢えず、泊まり掛けの事件な!』としか言われてなかった」
「それだけで了承しちゃったんだ」
「悪いかよ」