こちらミクモ探偵事務所5
「……それで?」
「それで?って何なのさ!人がいなくなったって言うこの時に!」
「家の中全部探したのか?案外、トイレに行ってるってだけかもしれないし」
「だって、私がトイレに起きたときにはいなかったんだもん!それに……」
羽兎は彼女の携帯電話を開き、紘哉に突き出す。
未送信メールが一件。
そこに、彼女の言葉が羅列されていた。
『日付変わる前には戻ります。探さないで下さい』
「……」
紘哉は羽兎から携帯電話を受け取り、画面をじっと見つめた。
そして、羽兎に訊く。
「今何時だ?」
「5時15分だよ!」
「……」
朝っぱらから叩き起こされた上で、この意味深長なメールの文面。
紘哉は隣で寝ている恵一の背中を思い切り蹴った。
「いっつー……んだよ、紘哉!」
眠そうな声で彼が文句を言う。
紘哉は目を擦り、苦々しく言った。
「寝てる暇があったら、お前も手伝えよ」
「何を?」
「……紘子ちゃんがいなくなったらしい。だから今から探す」
「マジでか!」
恵一は勢いよく飛び起きた。