こちらミクモ探偵事務所5
第三章 言えない事情
行方不明
服に着替え、廊下で羽兎と合流する。
行方不明とは大袈裟な気がするが、居場所を探してみる価値くらいあるだろう。
「どこから行けばいいのかな?」
「玄関からだ。靴の有無で家にいるかそうじゃないか分かる」
「なるほどね!」
と言うことで、一同は玄関へ。
綺麗に揃えられた靴が目に入る。
「やっぱり、外に行っちゃったのかな……」
ポッカリと一足分スペースができているのに気が付く。
羽兎は悲しそうに呟いた。
「……正直、探すと言ったところで思い付く場所がない」
「それじゃあ、俺の出番だな!」
恵一が手を挙げる。
彼は靴を履いて玄関のドアを開けた。
それに倣い、二人も外へ出る。