こちらミクモ探偵事務所5
「何か思い当たる場所でもあるのか?」
「いや、無いけど」
即答。
羽兎はズッコケ、紘哉はげんなりとした。
「……もういい」
「ま、待てよ!一応、確認することはもう一個あるぜ!」
「何だよ?」
ただでさえ悪い紘哉の機嫌が、どんどんと悪くなっていく。
恵一は慌てたように手を振った。
「紘子ちゃん、どうやらチャリで学校に行ってるらしいんだ。だから、それを調べればいいんじゃないかって」
「なるほど……確かに、それは一理あるな」
「だろだろ?」
得意気に同意を求めてくる。
紘哉は素直に頷いた。
「それで、自転車はどこに?」
「こっちこっち!」
ガレージの方を指差す。
三人はそっちに向かって歩いていった。