こちらミクモ探偵事務所5
自転車が五つ、綺麗に並んでいた。
紘子は自転車を使ってどこかへ行ったわけでは無いらしい。
そうなると、行動範囲がかなり狭まってくる。
羽兎が小さく唸った。
「思うんだけどさ、案外近くにいるんじゃないかな?」
「近くに、ですか?」
「よく、灯台もと暗しって言うじゃないですか。意外とガレージの中とかにいるかもしれませんよ」
そう言って、羽兎はガレージに近付く。
しかし、鍵がかかっているせいかびくともしなかった。
「案外、殺人現場にいたりしてな」
「紘哉さん、何て事を……」
「まぁ、取り敢えず行ってみるだけ無駄じゃないと思うんだが」
「確かに……」