こちらミクモ探偵事務所5

自転車が五つ、綺麗に並んでいた。
紘子は自転車を使ってどこかへ行ったわけでは無いらしい。

そうなると、行動範囲がかなり狭まってくる。
羽兎が小さく唸った。

「思うんだけどさ、案外近くにいるんじゃないかな?」

「近くに、ですか?」

「よく、灯台もと暗しって言うじゃないですか。意外とガレージの中とかにいるかもしれませんよ」

そう言って、羽兎はガレージに近付く。
しかし、鍵がかかっているせいかびくともしなかった。

「案外、殺人現場にいたりしてな」

「紘哉さん、何て事を……」

「まぁ、取り敢えず行ってみるだけ無駄じゃないと思うんだが」

「確かに……」

< 124 / 224 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop