こちらミクモ探偵事務所5
玄関を横切り、離れに向かう。
その時。
「こんな朝から……何してるの?」
「……」
玄関で眠そうに佇む千尋に遭遇した。
バレた。
羽兎はあたふたとし、恵一は目を泳がせた。
「え、いやぁ、アレだよ。ちょっと早く起きちゃったから、三人で体操してたんだよ!」
取って付けたような理由。
恵一は体をガチガチにさせながら、ラジオ体操をするように手足を動かす。
「……嘘だよね?」
「いやいや!ホントだよ!」
「……」
見え透いた嘘を、ここまで押し通す方もどうかと思う。
ここは、素直に事情を話した方がいいだろう。
紘哉は恵一の頭を叩くと、説明を始めた。