こちらミクモ探偵事務所5
「実は、妹さんの姿が見当たらないんだ」
「え?紘子の?」
目を丸くする千尋に向かって、彼は紘子の携帯電話を差し出した。
それを、千尋が震える手で開く。
「大袈裟かもしれないけど、一応状況が状況だから。何かあったんじゃないかと思ったらしい」
「いつから……いなくなっちゃったの?」
「コイツの話によると、明け方には既にいなかったらしい」
紘哉は親指で羽兎を指す。
彼女は申し訳なさそうに頭を下げる。
「ごめんなさい!一緒の部屋に寝ていたのに全然気が付かなくて」
「いえいえ……羽兎ちゃんが寝たとき、紘子はまだいたの?」
「いました。昨日、疲れちゃって10時頃に寝たんです。
それで、明け方の5時過ぎに起きたときには既にいなくて……慌ててお兄ちゃんと花形さんに知らせました」