こちらミクモ探偵事務所5
千尋の顔は、暗くなる一方だ。
彼女は携帯電話を持ちながら、途方に暮れていた。
「チーさ、紘子ちゃんが行きそうな場所ってないの?」
「紘子が行きそうな場所……?」
恵一に尋ねられ、千尋が首をかしげる。
そして、ぽつりぽつりと話し出した。
「うーん……こんな朝早くから出掛ける場所なんてなぁ……」
「そこを何とか!」
「小学校とか、中学校とか、そこのお店とか、後は裏山かな?」
指折り場所を数える。
千尋の言葉を聞いた途端、恵一の顔がサッと青ざめた。
「裏山って……嘘だろ!?」
「私に聞かないでよ。あくまでも、可能性を述べただけだし」
「……」