こちらミクモ探偵事務所5
空気が急に緊張した。
気まずそうに目を逸らす二人を見た羽兎が、不思議そうに訊いた。
「何でそんな裏山に過敏に反応するんです?」
「羽兎さん……チーん家の裏山、一度入ったらなかなか出られないんだ」
「えっ?そうなんですか!?」
「ほとんど手入れされてなくて、樹海のように木が沢山あって……とにかく、危ないんです」
「そんな!じゃあ、紘子ちゃんは……」
羽兎の顔も暗くなる。
このままだと、空気が重くなる一方だ。
紘哉は首を振った。
「危ないと分かってて、わざわざとその危険地域に足を踏み入れるか?」
「で、でも……」