こちらミクモ探偵事務所5
「紘子ちゃん、調子が悪いと言ってましたよ」
「……え?」
静かに紘哉が二人の助太刀する。
途端に、羽兎が嬉しそうな顔をした。
「連日の受験勉強が体にきたんでしょうね。頭が痛いからもう少し寝かせてくれと、妹に頼み込んだらしいです」
もっともらしい理由だ。
紘哉の二枚舌に感心しながら、羽兎は必死に頷いた。
「そう。それなら、そう言ってくれればいいのに」
すんなりみどりも納得する。
取り敢えず、難は去った。
恵一と千尋は、安堵の溜め息をついた。
「相変わらず、おばさん怖いなー。変に鋭いし」
「オバサンってそう言う生き物なんだよ」
「なるほどね……」
妙に納得してしまう自分がいる。
恵一はみどりをチラリと見た。