こちらミクモ探偵事務所5
「いったいな……いきなり叩くことないじゃん」
「何言ってるの?どれだけ心配したことか……!」
凄い剣幕で千尋が怒鳴る。
声の主――紘子は、興味無さそうにそっぽを向いた。
「どこに行ってたの?」
「……どこでもいいじゃん」
「いいから答えなさい!」
「……」
紘子はそっぽを向いたまま、わざとらしく息を吐く。
そして、千尋を煽るように答えた。
「……山に芝刈りに」
「ふざけてないで、真面目に答えて!!」
「……どこに行こうと、私の勝手でしょ」
とうとう紘子にも苛立ちの色が見え始めてきた。
彼女は千尋を押し退け、家の中に入っていった。
「待ちなさい!紘子!!」
千尋が追い掛けようとする。
その肩を紘哉が掴んだ。