こちらミクモ探偵事務所5
羽兎が軽く笑う。
反省する気は無いようだ。
呆れることしかできない。
「みどりさんは訊いたね!じゃあ、次はどうしようか?」
「そうだな……」
思索しつつ、隣に目をやる。
恵一が廊下の隅の方で体育座りをしていた。
彼の周囲だけ、何だかじめじめしている。
辺りにキノコでも生えてきそうな勢いだ。
「紘哉さん、さすがにアレは酷かったんじゃないかな?」
羽兎が申し訳なさそうに意見する。
「……いや、たまにはこうでもしないと。それに、静かになっていい」
注意されても直す気は無いようだ。
全く反省の色が見えない。
「まぁ、花形さんは途中で元気になるからいいとして……隆宏さんに話聞きに行こう!」
二人は恵一を引きずりつつ、隆宏の部屋まで移動した。