こちらミクモ探偵事務所5
「昔からそう言うの好きだったらしいです。小さい頃から近くで見ているうちに、何か僕までハマっちゃいました」
「そうだったんですか……」
恵一の顔が小さく歪む。
羽兎も明後日の方向を向いた。
「これで信夫さんの線が濃くなっちゃったね……」
「そうですね……」
小さくやり取りを交わし、羽兎と恵一は二人に目を向ける。
色々と考え事をしているうちに、二人の会話は進んでいた。
「そう言えば、紘子は見付かりました?」
「はい。ちゃんと帰ってきました」
「待った!」
恵一が二人に割り込む。
隆宏が不思議そうな顔をする。
「何で隆くんが、その事知ってるの?」
「廊下でバタバタしてるのが聞こえて、つい聞き耳立てちゃって……」
「……すみません」