こちらミクモ探偵事務所5
こればかりは、うるさくしていたこちらに非がある。
三人は頭を下げ、隆宏の部屋を出る。
「やっぱり、犯人はこの中にいるの?」
部屋を出ようとする恵一の背中に、隆宏が呼び掛ける。
恵一は振り向き、困ったように頬を掻いた。
「分かんない。でも、今はその線が一番有力かな」
「そっか……」
「俺だって、こんな現実信じたくないよ。今までお世話になった人疑うなんてさ」
「ケイちゃん……」
「ごめん。それでも仕事だから、やらなくちゃいけないんだ」
「そうだね……」
「じゃあ、また」
恵一は悲しそうに微笑むと、隆宏の部屋を出ていった。