こちらミクモ探偵事務所5
紘哉の言葉が胸に刺さる。
恵一は言葉を失った。
「お前は優しすぎるんだよ」
「……」
恵一は目を見開き、紘哉を凝視していた。
紘哉は小さくため息をつき、凛とした口調で言った。
「……今回、お前が犯人を割り出せ」
「そんなん無理だし!だって、何にも思い付かない……」
「思い付かないとか、言ってる場合じゃねぇよ。お前は自分の頭で考えることをしろ」
「……」
何も言えない。
羽兎が不安そうに二人の事を見る。
「まぁ、殺人トリック考えるとか、そう言うことは手伝ってやらんでもない」
「マジで!?」
恵一の顔が明るくなる。
紘哉は目を逸らし、小さく頷く。