こちらミクモ探偵事務所5
その男、頭なり
「私は、昨日の昼にイチゴのセールスマンに会ったんだ」
床に円になるように座る。
そして、紘子がおずおずと話し出した。
別に聞き耳を立てられている訳ではないが、自然と声が小さくなる。
「インターホンに出たら、イチゴのセールスマンだった。お父さんもいなかったし、私が対応した」
「危ないじゃん!」
恵一が声を上げる。
そんな彼を、紘哉が一睨みする。
恵一は申し訳なさそうに笑い、紘子に話を続けるよう促した。
「それで家に茶色い袋があるから、昨日の夜11時に持ってきて欲しいって言われた」
「それで、袋は見付かったのか?」