こちらミクモ探偵事務所5
「うん。だって私が目覚めたの、裏山だったから」
「ハァ!?」
三人の声が揃う。
もう一度、肩を揺さぶろうとする恵一の手を紘子が押さえる。
「正確には、裏山にある小屋の中だった。それで、山を降りてきたら何かみんないたってワケ」
「はぁ……」
「何か質問ある?」
「……」
何も言えない。
と言うより、何も言葉が出てこない。
「何でこんなにもか弱い女子高生が、こんな目に遭わなくちゃいけないのか分からないけどね」
「どこがか弱い女子高生だよ」
そっぽを向きながら、紘哉が毒を吐く。
紘子の眉がピクリと動く。
「お?言ったな?こんなこと言って、タダで済むと思ってんの?」
「そう言うこと言ってる時点で、既にか弱くない」