こちらミクモ探偵事務所5

サラリと返す。
紘子は諦めたようにため息をつき、ポケットから四つ折りの紙切れを出した。

「それと、起きたときに私の近くにこれが落ちてた。読んでみたけど、サッパリ意味が分からない」

羽兎が紙を受け取り、開く。

メモの真ん中に一文、走り書きで書いてある。
それでも、読みやすい字体だ。

羽兎はそれを読み上げる。

「なになに……
『意外な所に隠されている物は、それなりの意味を成す』だって」

「確かに意味が分からないですね……」

恵一は羽兎からメモを受け取り、じっくりと見る。
紙を逆さまにしたり、裏返したりするも、特に変わったところはなかった。

「ハイ、いらね」

「もうちょっと丁寧に扱えないのか」

たらい回しにされる紙。
最後に紘哉が受け取った。

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