こちらミクモ探偵事務所5
紘子の口から紡がれていく言葉が重なる度、三人の顔が白くなっていく。
そして、『T.Akimoto』の文字。
間違いない。
彼しかいない。
「――と言う感じだけど、どう?」
「……いや、人違いだったらしい」
そう答えるのがやっとだった。
こうでも言っておかないと、また被害者が増えてしまうかもしれない。
紘子は訝しげに紘哉を見るも、特にそれ以上何も訊かなかった。
「それと……お姉の秘密、少し話そうかと思って」
「お姉……千尋さんの秘密?」
「何それ面白そう!!」
恵一が身を乗り出す。
羽兎も目を輝かせ、彼女を見る。
紘子はフッと笑い、少し嬉しそうに話し出した。