こちらミクモ探偵事務所5
「お姉、どうやらケータイ小説書いてるらしくってさ。9時から10時の1時間は、絶対に部屋から出てこないんだ」
「ケータイ小説?千尋さんの、読んだことある?」
羽兎が楽しそうに訊く。
こう言う話は、女子の方が食い付きがいい。
「あるよ!結構甘くってさ。読んでるこっちが恥ずかしくなってくる」
「ほー!私も読んでみたいな!」
女子二人、周りに花が飛んでいる。
野郎共は、完全に蚊帳の外だ。
ふと、恵一が思い出したように呟いた。
「チーと言えばさぁ、お前死ね」
「何だよいきなり。話が繋がってねぇぞ」
「いやぁ、さっきの会話を思い出したら、何か殺意が湧いてきちゃって」
「意味分かんねぇよ」