こちらミクモ探偵事務所5

紘哉は眉を寄せ、もういいと言わんばかりに手を振る。
その態度が気に入らなかったのか、恵一が異議を申し立てた。

「ちょっと!人の話は最後まで聞けって、幼稚園の時に先生から習わなかったのか?」

「お前の話を聞いたところで、どうせ罵り言葉しか出てこないだろ」

「言うから!ちゃんと言いますから!だからそんな目で俺を見るな!」

可哀想なモノを見る目で、恵一を見つめる。
彼は慌てたように床を叩き、荒れた息を整える。
そして、声を潜めて言った。

「実はな……チー、どうやらお前の事好いてるらしいんだ」

「え、はぁ……」

「だから、くたばれって思ってた」

「そうか……」

「畜生。悔しい。俺にも分けろ!」

「そんなこと言われてもなぁ……好きで好かれてるワケじゃない」

「よーし、分かった。紘哉、一発殴らせろおおぉぉ!!」

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