こちらミクモ探偵事務所5

右手を振りかざしてくる恵一を押さえる。

こう言う話になると、どう反応したらいいのか分からないのが現状だ。
恵一の暴言を華麗にスルーし、考え込む。

恵一も諦めたように右手を下ろした。

「チーって、昔っからロマンチストだったんだよな。今でも、白馬の王子様が迎えに来てくれるって思ってるんじゃねーの?」

「シンデレラ・コンプレックスか。さすがにそれは無いだろう」

「だったら何で、ケータイ小説とか書いてるんだ?」

「趣味だろ」

人の趣味にとやかく言うつもりはない。
紘哉は恵一の意見を撥ね付けた。

しかし当の本人はニヤリと笑い、紘哉の肩を組む。
彼は、迷惑そうに恵一を見た。

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