こちらミクモ探偵事務所5
羽兎が頬に手を当て、考え始める。
紘哉は一つの可能性を提示した。
「そりゃあ、あの拳銃の弾だろうな。だから、ここにあるんじゃないか?」
「うー……やっぱり、そうなっちゃうんだね」
紘哉は恵一から弾の箱を受け取り、ポケットにしまった。
そして、辺りを見回す。
「それにしても、本当に目ぼしいものは何もないな」
「本当だよね。殺人現場なのに、揉み合ったアトとか、争った痕跡が全く無いし」
「確かに綺麗すぎる。中村さんは、抵抗しなかったのか……?」
となると、不意打ちで襲われたことにになる。
恵一は頭の後ろに手を回し、軽い調子で喋る。