こちらミクモ探偵事務所5

「まぁ、こっちは丸腰で相手がピストル持ってたとしたら、わざわざ掴みかかって抵抗したりしないだろうな」

「それは無かったとしても、近くのモノを投げたりしなかったのかな?」

「床が綺麗だから、それは無いだろう」

「え?何で?」

羽兎が訊く。
紘哉は辺りや床を見つめた。

「片付けたと言う線もあるかもしれないが、それだったらとっくに捜査員が見付けているハズだ」

「そう考えると……」

羽兎がハッとして紘哉を見る。
彼は力強く頷いた。

「事件当日、ワトコと一緒にいた紘子ちゃんはまず候補から除外される」

「紘子ちゃんに限って、犯人なわけないもん!」

「そして、中村さんの事をあまり知らない隆宏さんも、候補から除外される」

紘哉は指を三本立て、得意気に口角を上げた。

「犯人は、事件当日に家にいて、尚且つ中村さんと深い関わりがあった人だろう。
そう考えると、三人に絞ることができる」

< 171 / 224 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop