こちらミクモ探偵事務所5
「まぁ、こっちは丸腰で相手がピストル持ってたとしたら、わざわざ掴みかかって抵抗したりしないだろうな」
「それは無かったとしても、近くのモノを投げたりしなかったのかな?」
「床が綺麗だから、それは無いだろう」
「え?何で?」
羽兎が訊く。
紘哉は辺りや床を見つめた。
「片付けたと言う線もあるかもしれないが、それだったらとっくに捜査員が見付けているハズだ」
「そう考えると……」
羽兎がハッとして紘哉を見る。
彼は力強く頷いた。
「事件当日、ワトコと一緒にいた紘子ちゃんはまず候補から除外される」
「紘子ちゃんに限って、犯人なわけないもん!」
「そして、中村さんの事をあまり知らない隆宏さんも、候補から除外される」
紘哉は指を三本立て、得意気に口角を上げた。
「犯人は、事件当日に家にいて、尚且つ中村さんと深い関わりがあった人だろう。
そう考えると、三人に絞ることができる」