こちらミクモ探偵事務所5
「……」
何も返ってこない。
羽兎は慌てて体を起こした。
「え?何か変なこと言った?」
「いや、別に」
紘哉が悩ましげにため息をつく。
羽兎は恵一に目を向けるも、彼も難しい顔で唸っているだけだった。
この事に関しては、もう考えが無いらしい。
羽兎は、小さく呟いた。
「これからどうするの?」
「分からない。後は……」
言葉を切り、時計を見る。
まだ時間は、7時少し前だ。
「後は、時間が経てば、分からなかったことも明るみに出るだろう」
「……え?どういう事?」
「そのままの意味だ」
「えー……」
羽兎の背中を、嫌な汗が伝った。